1912年の運命の日、もしもタイタニック号の一等船室で目が覚めたら――。沈没事故に巻き込まれた客の視点から見た光景をAIが映像化した動画が話題だ。
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■もしもタイタニック号の一等船室で目覚めたら?
さまざまな歴史的シナリオで目覚める一人称(POV)キャラクターが見る光景をAIが映像化した動画を投稿しているTikTokチャンネル「@timetravellerpov」で、タイタニック号のバージョンが公開されていて話題だ。船室で目覚めた一人称キャラクターはベッドで靴を履いたままだった。立ち上がって鏡の前で身だしなみを整える際には視点が三人称に切り替わり、黒いタキシードに身を包んだなかなかハンサムな若い紳士であることがわかる。
船室を出て外に出て歩くキャラクターだが、まるでゾンビのふりをしているかのように腕を前に伸ばして歩くという不穏な癖があるようだ。
海を眺めながら紅茶でひと息ついてから、紳士淑女が躍るボールルームを通り、レストランでの食事になるのだが、肉料理を食べるのに、右手でフォークを2本持ち、左手にフォーク1本を持つという奇妙な食事作法が繰り広げられている。これはおそらくAIの誤認で、フォーク2本を箸のように使う食べ方を誤って学習したようだ。
豪華なインテリアの廊下の手すりを官能的に撫でた後、男性は船の行く手の沖に浮かぶ巨大な氷山を見つけ、力なく指差して息を呑む。そしてタイタニック号はこの巨大な氷山に右舷をかすめながら衝突する。船室内に海水が勢いよく入り込み、ボールルームで踊っていた多くの紳士淑女がびしょ濡れになり、悲鳴をあげながら逃げまどい人々はパニックに。そして床の水位はどんどん上がっていく。
身なりの良い一等船客の乗客たちが水浸しになったエレベーターに急いで乗り込む一方、男性は愚かにも頭を水面の下に沈ませ、水に浸かった廊下でサメが自分に向かって泳いでくるのを目撃する。膝まで水に浸かった人々が命からがら逃げまどう光景が続き、デッキに出てると船が沈んでいく間も演奏を続けた有名なタイタニック号の楽団を目撃する。しかしなぜか彼らは煙のようなもやに包まれており、楽団の一人はバイオリンの弓をトランペットのように演奏しているようにも見える。これもAIの誤解だろう。
人々でデッキは混雑をきわめ、急いで出された数隻の救命ボートが海に浮かんでいるが、男性は震えながらも海に飛び降りる選択をする。凍てつく海水に落ちたら心臓麻痺をおこして命を落としそうにも思えるが、幸いにもその後は震えながらも救命ボートの上にいる光景が繰り広げられる。
男性はまたも腕をゾンビのように前に伸ばしているが、沈没前のタイタニック号の廊下でこのポーズをとったあの楽しかった時を思い出しているのだろうか!? 興味深い映像だが、同じ目には遭いたくないものである。@timetravellerpovPOV: You wake up on the Titanic in 1912#history#historytok#ai#titanic♬ original sound – Time Traveller POV参考:「Daily Star」ほか文=仲田しんじ仲田しんじの記事一覧はこちら※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。